「1,600頭目が生まれるよー」との報を受けたので、急いで牛舎へ出向きました。こちらが妊婦さん。そわそわ動き回っては時おりウーンとふんばったり。出産間近であるのが素人目にもわかります・・・・・・が、30分待っても分娩は始まらず・・・。
そのうちエサを食べ始めちゃったりして余裕の表情。迫りくる決戦にそなえて、腹ごしらえですか?
待つこと数十分。ようやく足が見えてきたので、引っ張ることに。いつものことですが頭の中で湯婆婆が叫びます。「小比(こひ)いちどう心を込めてぇ、そーれぇいっ」。
「生まれたーっ」。と思ったら、今年春に入社した授精師さんがすかさず子牛に近づき、ブゥチュゥ〜〜〜ッ。
お、お、お。マウスツーマウスであります。
どうやら羊水を吸い出している模様。すごいです。ワイルドです。羊水を吸い出してはペッと吐き出す姿に男を感じます。いや男というより漢(おとこ)です。もしもワタシが毒蛇にかまれたら彼の名を呼びたいと思います。
にしても、あー、びっくりした。
衝撃的なマウスツーマウスのおかげで、子牛ちゃんも無事蘇生。おっかさんの愛情を一身に受けておりました。記念すべき小比類巻の1600頭目、元気です。よかったよかった。
1600頭目だから牛舎の表示札も「おめでとう」の特製シール付きでお祝い雰囲気を演出です。
ふりかえれば、1400頭目は2018年11月、1500頭目は2019年12月、そして1600頭目は2020年10月に達成。このペースでいけば、1700頭目は2021年秋には到達しそう。その頃にはコロナも終息して、世の中がもとどおりになっていればいいなぁ、と切に願うこの頃です。