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牛の帝王切開手術その2

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牛舎の片隅でココア色の柔肌を矩形にさらけだす和牛さん。獣医師のクロサワ先生が手にする貝印のカミソリ、その名も『ビューティーM SM』が、柔肌を上から下へ、何度も何度も滑りおりていきます。

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目を潤ませながら恍惚の表情を浮かべるのは齡(よわい)12、熟女盛りの妊婦さん。時おり、身をくねらせてもだえさせるあたり、さすがは『ビューティーM SM』であります。


と、若干文章が暴走気味ですが深い意味はありません(笑)。ブログ書くのが久しぶりなので、つい、ねぇ。


えー、今回は先日行われた牛の帝王切開手術の模様をお届けしたいと思います。あくまでも事務員目線でのレポートですので、ご了承くださいね。


ワタシが帝王切開手術を見学するのはこれで2回目。1度目の執刀医は社長のマサユキ先生でしたが、本日の執刀医は・・・

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このスラリとしたかっこいー後ろ姿。

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じゃじゃーん。小比類巻家畜診療サービスの大門未知子(と、ワタシが勝手に思ってる)こと、獣医師のムカイ先生っ。

その白魚のように美しい指先と、か細い腕がどうやって巨大な牛の脇腹をかっさばき、子牛を取り上げるのか、この目をおっ広げてしかとみとどけたいと思います。

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8頭身のスレンダーボディに端整な顔立ち。体じゅうから「ワタシ、失敗しないので」オーラが立ち上っております(あくまでワタシの主観です)。カメラに向かって「アップはやめてね」と、いつもどーり決めセリフもいただきました。

では、いよいよ手術開始。よい子のみんなはココから閲覧注意だよー。

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まずは、一番上の皮にスーッとメスを入れました。身もだえする牛さんに「ごめんねー」と声をかけるムカイ先生。その優しい声とは裏腹に、確固たる意思を持ってサバサバと進んでいく男前な指先がたまりません。

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表皮をパックリ開いた後は、中のお肉をつまんでチョキチョキと更に切り開いていきます。

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と思ったら、おもむろに牛のお腹に手を突っ込みましたよ。

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うっわー。そのまま腕の付け根ほどまでどっぷり突っ込んで、何やらグルグルかき混ぜているようにみえます。胎子の姿勢を確認して、子宮の切る位置を見定めているのでしょうか???

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と思ったらまたチョキチョキし始めましたよ。
コレってもしかして子宮ですか?いよいよカモーン・ベイビーですか?


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足が出たーっ。クロサワ先生が加わり、女性2人でうんとこしょ。

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さらに牧場長が加わって、うんとこしょ。どっこいしょ。
まだまだ子牛は生まれません。

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さらに牛舎のニシノさんが加わりましたよ。
小比類巻一同心をこめてー。エイヤー、ソーーーーレーーーー!

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よ・き・か・なーっ。
生まれた—。体からホワーッと湯気がたちのぼり、子牛も元気そうです。
とりあえずひと安心。うん。

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スタッフたちが子牛の世話におわれている一方で、何やらグロい物体と孤軍奮闘するムカイ先生。たずねたら、これが胎盤だと教えてくれました。ふむふむ。

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今度は縫合処置にとりかかります。まずは、子宮からスターティン。

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今回助手を務めるクロサワ先生が、ヘッドライトで手元を照らし、時おり患部を洗い流します。

2人とも家庭では小さい子供を持つお母さん。血にまみれながら黙々と仕事をすすめる姿、颯爽としていてかっこいい。。。

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続いてお肉の部分を縫い合わせます。腹膜とか筋膜とか幾層にもなってて、素人目にはここが一番難しそうに見えました。

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仕上げは表皮の縫合。くるくるシュパッ、くるくるシュパッ。もしかしてこれがかの有名な外科結び???
その華麗な動きについ見とれてしまいましたよ。

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美しい縫い上がり。さすが子供のためにキャラ弁作りを得意とする、手先の器用なムカイ先生であります。

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手術が終わった後の後片付けも完璧に。

毅然と牛と向き合いながらも、随所に女医さんならではのやさしい心づかいが感じられる温かな帝王切開手術でした。


以上、来世で牛に生まれ変わったあかつきには、ぜひムカイ先生に帝王切開手術をお願いしたいと思ったサワヤマがお伝えしました〜。

by vetkohi | 2019-12-09 13:49 | 獣医師の診療風景

小比類巻家畜診療サービスの日常をスタッフが交替でゆるーく発信。当社は青森県上北郡東北町で和牛の受精卵移植や家畜診療、繁殖牧場などを行っています。


by vetkohi
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