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OPU(経膣採卵)の練習

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枠場に入り、じーっと前を見つめる繁殖用の黒毛和牛。小比類巻家畜診療サービスの3号牛舎で、ほぼ毎朝見られる光景です。

この牛さんのおしりの向こうには、社長のマサユキ先生が今朝も髪の毛とツナギの襟をおっ立てながら、OPU(経膣採卵)にいそしんでいるハズ・・・。

ところが!

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おぉっ。ちがうちがう。

今朝は髪の毛もツナギの襟もおっ立ってないぞ。別人だ。

ていうか、この後ろ姿、

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家畜人工授精師兼移植師兼胚培養担当(肩書きなげー)のタカハシさーん!(通称:リョーコちゃん)


いつもはOPUするマサユキ先生の横でアシスタントを務めている彼女が今朝の主役。
プローブの持ち手をしっかり握り、超音波画像のモニターを見つめる表情は真剣そのもの。声をかけるのもはばかられるほどです。


こんなタカハシさん、タカハシさんじゃなーい(笑)

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黄色い丸で囲んだのが卵胞。この卵胞に細長ーい針(赤線で囲んだ部分)を差し、吸引して採卵します。部外者のワタシには何がなんだかサッパリ???なんですけど、彼女にはしっかりと見えているそうですよ。

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足で吸引機のペダルを踏み、採卵した卵子はこちらの容器に集められていきます。


ところでこの経膣採卵の作業、見ためには動きも少なく、そんなに過酷な作業には思えないのですが・・・

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牛さんの直腸に入れた左腕は、卵巣を触知したりプローブをつかんだりするために絶えず動かしているのだそうです。

だからその左腕がですねー、

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汗でぐだぐだ!水で濡らしたんじゃありませんよ。お尻から引っこ抜いた直後の写真がコレ。

牛さんの直腸内は温度と湿度が高くサウナ状態。締めつける圧力(ケツ圧 笑)も相当なモノらしいです。そこにビニールの手袋を2枚重ね着した腕を入れるんだから、その過酷さは想像に難くありません。

これを毎日やってたら、右利きのテニス選手の右腕が太くなるように、左腕だけ細くできるんじゃなかろーか?「経膣部分ダイエット」なんつって。

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さて、ラボに持ち帰ったこちらの容器。今日は2頭OPUしたので2本あります。この中に卵子がたーんまり入ってると大成功!なのですが・・・。

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早速、自ら顕微鏡をのぞいて確かめます。

ドキドキ。


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あったあったありましたー。黄色い丸で囲んだのが牛さんの卵子。

この日は、2頭の牛さんからそれぞれ11個と3個、合計14個の卵子を採取できたとのこと。

牛さんの状態にもよるので、14という数字が多いのか少ないのかは一概には言えないんじゃなぁい?と素人のワタシなんかは思ってしまいます。が、そこは向上心あふれるタカハシさん、「まだまだ修行が足りなーい!」と結果にはいたくご不満の様子。


ウチの会社の最も大きな特色であるOPU-IVF(経膣採卵・体外受精)をまかされるってことは、プレッシャーもあると思います。が、新卒で入社してまだ1年ちょっとのタカハシさん。伸びしろは無限に広がっておりますよ。

採卵のスペシャリストめざして、けっぱれ、リョーコちゃん!



by vetkohi | 2019-07-21 13:29 | 獣医師の診療風景

小比類巻家畜診療サービスの日常をスタッフが交替でゆるーく発信。当社は青森県上北郡東北町で和牛の受精卵移植や家畜診療、繁殖牧場などを行っています。


by vetkohi
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