こんにちは!胚培養担当(元哺育担当)の関下です。
かなり久々のブログです・・・何年ぶり・・・
先日、9/19~9/21の日程で、三重県の三重大学で行われた第11回日本ET実務者ネットワーク研修会と第2回日本胚移植技術研究会(いわゆる学会)に行ってきました。
今回は、この三重出張の感想をレポートとしてブログにアップしたいと思います。社長命令です。はい。
9/19~9/20午前までは、日本ET実務者ネットワーク研修会でした。

この研修会では家畜改良事業団家畜バイテクセンターの経験豊富なレジェンド職員の方の手技実演や、講師の先生方の講演、骨盤模型と牛の子宮を使っての実技、実習が行われました。

バイテクセンターの方は屠場卵巣から卵子を吸引するそうで、私たちが行っているOPUとは少し採卵~検卵までの流れが違うのですが、1頭分(卵巣2個)の採卵を5分程度、その検卵を5分、トータルで10分程度しかかからないということでした。6頭分を採卵して1時間。やはり卵子の処理は素早く!というのが鉄則であると再認識しました。モタモタしてると卵子の質が悪くなってしまいますから!

これはET技術に関する実技の様子です。講師の先生が実際に普段使っている道具を使い、移植までの様子を実演してくださいました。私は人工授精師の資格をもってはいるものの、ほぼ経験ゼロのペーパー授精師です。授精も出来ないのに移植の実技なんて・・・と最初は思っていました。
しかし、使う道具は若干違っても、基本的なことは授精と変わりません。陰部の消毒の仕方や凍結卵ストローの溶かし方など、細かいところから丁寧に教えて頂き、いつか私も移植までやれるようになりたい!と思うようなとても分かりやすい実技でした。

そして、9/20午後からはいよいよ日本胚移植技術研究会です。


大学や研究所などで日々実験、研究をしている先生方から、現場で獣医師、移植師として活躍している先生方まで、いろいろな方の発表を聞くことが出来ました。
その中でも私が一番興味を持ったのが、体外受精胚の品質評価についての講演でした。
受精卵は体外受精後27時間ほどで第1卵割のタイミングなのですが、この第1卵割で2細胞に卵割するのが通常です。しかし、なかには急に3~4細胞などに卵割する卵があり、このような第1卵割で異常が見られた胚は核(遺伝子)の分配に異常がある可能性が高く、生産性が低い、要するに受胎率が低いという内容でした。
そして、このような異常がある胚でも、移植可能と判断できるくらいまでのステージまで成長してしまうということでした。
今まで私は受精卵の数だけで判断し、たくさん出来ればヤッター!!と思っていました。しかしこのような異常がある胚を移植しても受胎しないし、本当に無駄な事です。IVF後、27時間の卵割確認は私たちもやってはいるのですが、今までより更に厳しい目で胚を選別し、数ではなく本当にいい受精卵だけを作って受胎率向上につなげたいと思います。

そして、今回、社長が学会で表彰されました!受賞理由は・・・

ということです!おめでとうございます!!