仔牛に点滴

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朝日がサンサンと差し込む、明るく風通しのよい牛舎。

生後間もない牛さんたちがすごす哺育牛舎へ初めてやって来ました。ほんわり空気がやわらかく、心身が癒されるようなこの感じは、ずらりと並んだカワイイ子牛ちゃんたちのおかげでしょうか。

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そんなのどかな哺育牛舎の中で、ひときわ目をひく「下痢」の2文字を発見。この張り紙の下にいるのは本日の患畜ちゃん・・・

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あら、めんこい♡ 3月20日生まれ、生後10日ほどの女の子です。数日下痢が続き、脱水症状を呈しているとのこと。水分と栄養を点滴で補給してあげる必要があります。

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ということで、本日は仔牛に点滴を打つ様子をお伝えしますよ。

牛さん、しかも生後間もない小さな仔牛ちゃんに一体どのようにして点滴を打つのか、興味しんしーん。

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突然ですが、皆さん、NHK大河ドラマ『西郷(せご)どん』見てますか?見てないですか、そーですか(笑)。本日の担当医は「セゴどん」ならぬ「イシくん」。西郷さんと同じ鹿児島出身のイシザワ先生です。

青森県十和田市にある北里大学獣医学部を卒業、獣医師になって3年のイシザワ先生は、その独特の天然キャラからか、小比類巻家畜診療サービスのいじられ役として確固たる地位を築いております(笑)。なので今日の点滴はワタシもちょいとドキドキ。母のような気持ちで見守ります。

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まずは扱いやすいように子牛ちゃんに頭絡を付け、さらにロープをかけて動かないよう柵に巻きつけて固定します。

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こんな感じ。かわいそうだけど、動いて針が折れちゃったりしたら大変ですからね、しゃーないしゃーない。ちょっとの間だけ辛抱してね。

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「に、にぃさん、なんばしよっと!?」の牛さんをよそに、全神経を指先に集中して、首筋の静脈を探すイシザワ先生。毛を剃らずに血管見つけるって難しくないですか?

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ねらいを定めてブススススーッ。「にぃさん、にぃさん、ひぃぃぃぃ〜〜〜〜〜っ」

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ちゃんと血管に入ってるかしばし様子見。せんせぇ、オッケーっすか?

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うまくいったようなので、針をガムテープで固定。ガ、ガムテープですかっ。家畜診療の現場はワイルドですなー。

ちなみに使った針は「留置針」という二重になっている針とのこと。刺した後は内側の金属針を抜いて、外側の柔らかい針だけを血管の中に残すのだそう。動いても点滴が漏れないよう工夫された針なんですね。そういえば、我が子が赤ちゃんの頃にやってもらった点滴もそういう特殊な針でしたっけ。

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点滴の管がからまないように、またまたガムテープできっちり固定。ここまでくればひと安心、笑顔もこぼれます。

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おりこーさんだったねー。ロープをほどいて再び自由の身に。

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「この前、十和田市のアパートから七戸十和田駅までジョギングしたんすけどぉ、距離調べたら8kmしかないんすよー。絶対何かの間違いっすよねー。もっとありますよねー。」


知らんがな!(笑)


処置が終わるやいなや、おもむろにまったく関係ない話をしだしたイシザワ先生。相変わらずの天然っぷり。だけど牛と対峙しているときだけは薩摩隼人の本領発揮、一発で仔牛の細い血管を仕留めるあたり、さすがです。

ではでは、今日はここらでよかろーかい。
ベテラン獣医師めざして、イシくん、きばりや、チェスト-!
(ドラマ見てないひとには全くわからない締めくくり…)

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by vetkohi | 2018-04-02 09:49 | 獣医師の診療風景

家畜獣医師や牧場の日常を初心者目線でゆるーく発信。(有)小比類巻家畜診療サービスは、青森県上北郡東北町で和牛の受精卵移植や家畜診療、繁殖牧場などを行っています。


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